ファドの旅の記録を投稿しています。
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ファドを聴くためのリスボン滞在も
いよいよ10日目、最終日です♪
最後の夜も、
バイロアルトの慣れたファド酒場に行きました。
この夜で3回目です^ ^。
お店のお姉さんに「また来たのね!」と言われて、
一昨晩と同じく
スープとチーズとパン、
そしてレモンジュースを注文^ ^。
今夜はマリアさんという
若い女性歌手がメインです。
ハキハキした女性です。
休憩中には「私のCDを買いませんか?」と
英語で話しながら全てのテーブルを回っていました^ ^。
最初にこのお店で聴いた若い女性歌手もそうでしたが、
休憩中はお店の外で
お酒を片手にタバコを吸いながらお友達と喋りして、
とてもリラックスした様子です。
人前で歌うことが全然特別じゃないんだなぁ…
ところで、
タバコは喉(声)に良くないと私は思っているし、
実際タバコの煙が苦手ですが、
CDを出すほどの歌い手さんでも
そういう感覚ではないことは驚きでした。
喫煙しているからといって
しゃがれ声ってわけでもないんです。
喉が強いのかしら?
歌おうが歌わまいが、ここでは多くの人が喫煙者です。
ご年配の男性2人のファドに感動し、
素敵なご年配の女性、
そしてもう1人若い女性の
ファドを聴くことができました。
最初のこのお店での夜に聞いた
洒脱なご年配男性と若い男性も
また歌っていました^ ^。
この仕組み、楽しいなぁ✨🎵✨
11時半を回って
次のステージくらいで終わりかな、
と思っていたところ、
メインのマリアさんが
「あなた、ファドを歌うんでしょ?一曲歌ったら?
その後私が歌って、今夜は終わりにするから。」
と英語で話しかけてくれました!
ご年配の女性が歌っている時に
私が一緒に口ずさんでいたのを
彼女は見ていたんだそうです^ ^。
予想もしていなかったので
一瞬悩みましたが、
1曲だけということで歌わせてもらいました。
ギタリストに調がうまく伝えられなくて
希望とは違う調で始まってしまい慌てていると、
目の前のおじいさんが
落ち着いて、落ち着いて…
胸に手を当てる仕草で話し掛けてくれました^ ^。
歌い終わると、そのおじいさんが
「ファドをありがとう!」
と言いながらキスをしてくれました♡
こちらこそ、
私のファドを聴いてくださって
ありがとうございます。
「今度歌う時は、3曲歌わなきゃダメだよ」
と、私がこのお店に来た3夜とも歌っていた男性が
声を掛けてくれました。
お店の人達に「また来年きますね!」
と挨拶して、バイロアルトをあとにしました。
翌朝は日本に向けて出発です。
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日を重ねて
リスボンでファドを聴けば聴くほど
日本人である私が
ファドを歌う意味に悩みました。
子供の頃から聴いて、歌って、
ファドが常に生活のそばにある人達が、
母語で歌うファド。
残念ながら
私の普段の生活に生きたファドは
これほどには近くにはありません。
ポルトガル語は私はまだ話せません。
そんな私が歌っていいのか…
そんなことを考え始めると、
旅の後半は眠れなくなってしまいました。
だからと言って
歌うことはやめません。
ファドを
自分からかけ離れた特別ものにしてしまうのも
きっと違う気がします。
ファドを歌う
つまり生きることを歌う
私はそう自分に落とし込みました。
日本人であるのに、
日本の伝統的な音楽ではなく、
異なる文化の歌を外国語で歌うのはなぜなのか。
そんな自分への問いは
古楽やセファルディを歌っている時も
いつもいつも心のどこかにあります。
ただ、
惹かれるから
好きだから
歌いたいから
今のところそれしか
その問いに対する答えはありません。
そして
その音楽に対する畏怖念と
それを生み出す文化、風俗、言語、
人々の生活に対する敬意が
常に根底にあります。
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「君の歌にはハートがあるね」
「ファドを歌い続けてね」
そう言ってもらった言葉を大切にして、
自分の弱さや不甲斐なさ、未熟さも
ぜんぶぜーんぶひっくるめて
今この瞬間の等身大の自分を歌っていこう。
それが誰かの心に触れて
慰めや癒しや勇気に繋がって
世界が平和になるといい。
心からそう願います。
ファド、たくさん聴きました。
どのファドからも、何かを感じました。
ますますファドが好きになりました。
ファドを愛する人たちに、私は惹かれます♡
ありきたりな言い方ですが、
音楽ってやっぱりいい♡
出会いとご縁に恵まれた旅でした。
そして、帰る場所があるから、私は旅ができます。
全てに感謝です。
ありがとうございました!
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